歴史や文化に触れ、英語で表現する「ヒロシマツーリズム」多角的な視点を持ち、世界に羽ばたく後押しを

つばめ交通株式会社

海外の方の視点から広島を捉え直す機会を

私たちは2022年、広島県観光連盟の助成を受けながら「ヒロシマツーリズム」というプロダクトを造成しました。海外の方から見た広島、あるいは日本について学ぶことで、多角的な視点で自国を捉え、世界に羽ばたく糧にしていこうという趣旨のプログラムです。

このプロダクトを立ち上げた背景として、私たちつばめ交通株式会社が長年に渡りVIPの方々を受け入れてきたことがあります。特に海外からいらっしゃったお客様からの質問は、広島について学んできた私たちにとっても、実は新鮮なもの。これまでにも、例えば「なぜ広島には原爆が落とされたの?」と原爆投下のバックグラウンドを尋ねられたことや、寺社仏閣を案内しても「これとこれは何が違うの?」と質問されたことがありました。そこで初めて、海外の方の視点から地域を捉え直すというプロセスが重要であること、そしてこの経験を社内だけでなく世の中に還元していくことはできないか、と考えるに至ったのです。

歴史や文化を英語で表現、自身で話す場面も

「ヒロシマツーリズム」は現在、主に留学を見据える学生とガイド初心者を対象として運営しています。コースには3つあり、平和公園周辺を巡る「平和学習コース」、宮島を巡る「宮島発見コース」、そして「ひろしまきもの遊び」さんにも協力いただいている「日本文化体験コース」です。いずれもジャンボタクシーに乗りながら約6時間かけて広島県内を巡り、その土地の歴史や文化に触れます。特徴的な点は、日本そして広島の歴史、近代史、日本の文化を学び直せるだけでなく、それを英語で表現する方法を学べる点です。これにあたっては実際現場に出ているプロのガイドさんたちに協力いただいています。さらにプログラムの最後には、英語でのディスカッションタイムを設けています。すなわち学ぶだけでなく、自分なりに表現する機会も用意しています。

世界へ羽ばたく学生の後押しをしていきたい

私たちがこうした機会の創出に力を入れるのには、広島生まれである私達すらも気づかない、海外の人ならではの広島に対する視点があると気づいたためです。もしこれから海外に羽ばたいていく学生がそれを知ることができたら、多角的な視点で物事を捉えられるようになり、自国以外の人とのコミュニケーションがより円滑になるのではないかと考えました。

海外の方と話すと、実はアメリカの方が原爆投下に今でも加害者意識を抱いていたり、あるいは日本が他国を侵略した歴史があったことを言及されたりと、思わぬ側面に気づかされます。また私たちが何気なく触れている日本の文化も、海外の人から見ればとても興味深く映るということも実感してきました。日本にいながら、そうした「見方」や「感じ方」の違いに触れる機会を一緒に共有できれば、今後も世界へ羽ばたく学生にとっての力になれるのではと期待しています!

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