歴史とストーリーが秘められたスポットをガイドと共に自転車で巡るツアーで、皆が知らない広島の姿を伝えたい
Roots of Hiroshima tour 広島を形作ってきた文化の体験×歴史巡りツアー
株式会社 mint
今回お話を伺ったのは、株式会社mintの石飛聡司さん。歴史を辿り、現在の広島がどのように形作られたのかを体験するツアーを企画・提供しています。ツアーの魅力や始めようと思ったきっかけ、今後の展望まで、石飛さんの想いをお話しいただきました。
歴史のストーリーにまつわるスポットを巡る
自転車に乗ってまずは広島城へ。
広島の成り立ちについて話をした後、昔の広島の面影を残す碇神社や太田川の中州、大芝水門、不動院などを巡ります。
その後、広島城を築城する場所を毛利輝元が見立てたと伝えられる見立山に登り、今の広島の景色を眺めながら軽食をとります。最後にもう一度広島城へ。その姿は、最初見た時と大きく印象が変わっているはずです。今後は広島が育つなかで日常と共に育まれてきた様々な文化(着物、武道、茶道や書道など)を、地元でそれぞれの専門分野で活躍される事業者とコラボレーションすることで随時イベントを実施していきたいと考えています。
宮島や平和公園だけではない広島の魅力を
これまでもサイクリングツアー事業を数多く手掛けてきましたが、広島県の観光の打ち出しが、どうしても平和公園と宮島に偏ってしまうと感じていました。極端な言い方をすれば、地元に住んでいる人間としては、365日平和を意識しているわけではないですし、宮島も一つの観光スポットにすぎません。
もっとありのままの、日常の広島を見てもらいたいと考えた時に、原爆投下以前の広島をツアー化してみたらどうだろうと思い立ちました。
広島という街はどのように出来上がっていったのか。江戸時代、明治、大正から戦争の時代と激動の流れの中で、どのようにして現在のような平和都市になったのか。広島の歴史全体のストーリーを掘り下げていくと実に熱いストーリーがあり、それにまつわるスポットを巡るツアーを開発しようと決めました。
また、これまでは広島市のシェアサイクルの協力を得てツアーを実施していましたが、よりフレキシブルに開催するために、専用の自転車を購入したいと考えていました。そこで補助金制度を利用して8台の電動自転車を購入。レンタサイクルだけに頼ることなく、ツアーの幅を広げることができました。
トライしやすい環境と地元に貢献したい思い
広島市は山、海、街がすごくコンパクトになっていて、歴史をはじめ観光で生かせる素材が豊富にあります。また、観光連盟、市や県、大学など、観光に携わっている人たちの横の連携がとりやすく、何かトライするには恵まれた環境だと思います。
今回の企画も自社だけでなく、他社と一緒に企画したアイデアも盛り込んでいます。
さらに自分自身の地元に貢献したいという思いがあることも、何よりここ広島市で観光プロダクト事業を行う理由の一つです。
広島を拠点とした新しい日本観光を提案する
今後は広島市内だけでなく、北広島町や江田島市でもサイクリングツアーを提供していきたいです。それぞれのツアーを組みあわせ、宿泊を伴う形で、広島の山、海、街を網羅するツアーを企画したいと考えています。
また、当ツアーを利用することで、これまで宮島と平和公園を巡って1泊2日で終わっていた広島県での観光を、2泊、3泊、1週間と発展させていけたらと思っています。
さらに、広島を拠点として中国地方の他県を巡ったり、四国まで足を延ばしたりと、今までの東京・大阪拠点ではなく、広島を拠点とした新しい日本観光のスタイルを提案していきたいですね。
10年後には、海外進出も想定しています。
二次交通手段である自転車を使ったサイクリングツアーであることが私たちの最大の武器。
また、ガイドを伴うためローカルな場所を巡れるのが強みです。もっと自分たちのブランド力を上げて、多くの他事業者や他地域を繋いでいき、多くの人に貢献できるような事業に育てていきたいです。